遺伝子の廃車に成り行く僕

 先日、女性はネガティブ思考の男が嫌いということを知った。衝撃だった。20年目の新発見。僕なんか男女問わず超絶明るい人を目の前にするとHP吸われてる気分になるのに。

 女性がヤンキーとかエグザイルみたいなオラついた男を好きになる傾向があるはこれまでの人生でなんとなく知っていた。それは知っていたのだがまさか嫌いとは。ゼロではなくマイナス側に配置されていたとは思いもよらなかった。ネガティブ思考、それだけで減点対象。

 女性は本能でより強い男性を、より優秀な遺伝子を求める。動物として、遺伝子の乗り物として至極当然のことだ。不必要な遺伝子情報。時と共に淘汰されゆく存在、それがネガティブ思考。

 ポケモンでいうならフライゴン♀達の前にようきカイリュー♂とひかえめサザンドラ♂がいた場合、フライゴン達はカイリューの前に群がるわけだ。「キャー!カイリュー君のバリアーカッコイイ!抱いて!」となり、横のサザンドラは一瞥され「はあ?スカーフ流星群とかキモッ…」と唾を吐き捨てられる。これではフライゴンサザンドラを預けていくら育て屋の前で自転車を漕ごうと卵が見つかることはない。

 さて、この悲しみをどうしよう。別に僕は子を成したいとか思っている訳ではないが、あなたはこの先死ぬまで一切女性から好かれることはありませんとなると己のカルマに抗いたくなる。

 いくつか解決策はある。他を圧倒する顔面のクオリティをもって押し切る。ユーモアの本を読んで泣き虫からお調子者に性格を変える。LDHのダンススクールに入学する等々。

 個人レベルなら上記の方法で十分に解決可能だろう。でも僕は未来のネガティブボーイ達のために女性の本能の認知を変えたい。種としてポジティブよりもネガティブの方が優れているんだと錯覚させたい。全ての根暗をクールに変えたい。デオキシリボ核酸の壁を越えて行け。

 そんな世界をひっくり返すための第一歩としてネガティブ思考の素晴らしいところをここに記す。

 なんかネガティブ思考の人間は創造力が高いらしい。

 さあ女性の皆さん。あなたの周りにいるネガティブ男子を放っておくと知らぬ間にハイパーメディアクリエイターになってるかもしれませんよ。

To Doリストをぶっ壊せ

 タイトルが胡散臭いビジネスセミナーで謳われてそうな感じになってしまったけど決してそういう意味のタイトルじゃないです。何もしたくない。それだけ。やらなきゃいけないことなんかに追われたくないし、ましてや、やらなきゃいけないことを明確にリスト化するとかドMじゃないですか。

 ところで僕最近ペルソナ5っていうゲームやってるんですよ。高校生の主人公達が心を盗む怪盗になって司法の目を欺いている悪人達を裁くみたいな感じのゲーム。ちょっとゲームのキャラクター達の行動見てると「おいおい止めとけや…」って気持ちになってイマイチ入り込めないところがあるんですけど。

 まあそれはさておきこのゲームですね、カレンダーがあって犯罪者の心を盗むのに期日が決められてるんですよ。○月○日までに盗めないとゲームオーバーって感じで。そんでゲームの攻略のためには人間関係を良くしなくちゃいけなくて、その人間関係を良くするためには主人公の魅力とか知識とかっていうパラメーターを上げなきゃいけないんですよ。

 もうね、主人公には何もしない日なんて無いんですよ。日曜日に何もせずに寝て過ごすなんてもってのほか。毎日学校行って放課後には敵のダンジョンに潜入したり、人間関係良くしたり、勉強したり、人助けしたり…。一日一日をおはようからおやすみまでフルスロットルで過ごすわけです。

 そんな訳でプレイヤーが感情移入し易いように主人公にはボイスが殆ど無くて、会話も常に三択程あるんだけど全く感情移入出来ない。ロールプレイ不可能。僕ならとっくに自殺してるレベルの忙しさ。余りに辛い高校生活。だから強くてニューゲームの二週目はひたすら毎日寝て過ごさせてあげたいと思っている。

 ペルソナの話が長くなってしまった。要するに僕は朝起きて「今日何すっかな…」と考えながら何もしないという日を死ぬまで続けたいと思っている。こんなことを身近な人達に話していたら社会不適合者と言われてしまいました。悲しい。

 ただ僕は社会不適合者ではない。生まれ変わって蟻になろうが蛇になろうがシマウマになろうが何もしたくないと思うはずである。間違いない。僕は社会不適合者ではない。動物不適合者もしくは生き物不適合者が正しい。

 そんな地球生物不適合者の僕がやっているペルソナ5、面白いですよ。皆さんも一度やってみたらいかがですか。

服屋と電気屋だけずっと混んでいればいいのに

 こないだ友達とちょっと近所の家電量販店に行った。友達は適当なスマホカバーを買おうとしてて店内のスマホカバー売り場を二人で見ていた。店内は割りと閑散としていて、そのスマホカバー売り場も僕らしかいなかった。物色し始めて30秒、店員が現れて「何かお探しでしょうか?」と聞いてきた。

 僕はこの「何かお探しでしょうか?」と聞かれるのがひどく苦手である。基本、用が無いと店舗には行かないのでお探しであるにはある。しかしやり取りが面倒なのでいつも「アッ、ミテルダケッス」と言ってそそくさと逃げてしまう。そして何も買わずに帰宅。情けない。

 無愛想で申し訳ないとは思っているが、僕は生まれつきSAN値が低いので心の安寧を保つために基本どこの店でも話しかけんなオーラをビンビンに纏っている。しかし服屋と電気屋はこのオーラを物ともしない。なんだったらイヤホンという物理的な壁ですら力ずくで突破してくる。勘弁してくれマジで。

 とはいえ店員にもなんかノルマとかもあるんだろう。向こうも向こうで大変である。

 でもな?俺はプロバイダのキャンペーンとかどうでもいいし、お探しのアイテムと店内にある別アイテムの組み合わせのし易さとか知らねえんだ。一人でじっくりお探しのアイテムと家にあるアイテムの組み合わせを考えてんだ。昨日今日生まれたわけじゃないから試着というシステムも知ってるよ。

 いい加減店員から話しかけられるのが苦手な人用のシステムが作られるべきではないか。もしくは"銭湯で足首にロッカーのキーを付けてる奴はホモ"的な不文律ができればいいのに。"深爪の奴は店員とのコミュニケーションが苦手"みたいな。

 店員型ペッパー君とか配置されねえかな。ガンガンに無視して気持ちよくなりたい。

 もしくは美少女アンドロイドでも可。ガンガンに無視して気持ちよくなりたい。

音楽に救われた←元々のメンタルが鋼

 辛い時に音楽に救われましたみたいなのよく聞くけど凄くない?支えられたはまだ分かるんだけどさ、救われたって凄い。心の不調が音楽で治る。恐ろしい。精神科と心療内科要らずってことだよ。別に心の病気レベルの話じゃなくても仕事でミスしたとか、部活の試合に負けたみたいなことでも音楽聴けばメンタル回復するってんだよ。やべえよ。メンタルモンスターだよ。

 例えば僕の場合、メンタルが落ち込んだときに何が癒やしてくれるのかっていうと、それはただひとつ時間経過のみ。人間の脳に備わった忘却機能が失敗や悲しみの記憶をぼやかしてくれるの待つだけだ。稀に開き直ることで一旦誤魔化す場合もあるが、蓋の中では火種が燻り続ける。

 ところが音楽が回復呪文と化してる人達は脳が記憶を忘却する前でも音楽という名のベホマを唱えれば一発回復という訳だ。

 いや、そんな訳ねえだろ。絶対元々のメンタルが鋼なんだよ。はがね/くさタイプだよ。伝わるかなこれ。分からなかったら「ナットレイ」でググれ。

 思うに辛かった時に聞いていた音楽が記憶に結びついていて、救われたと錯覚しているのではなかろうか。音楽って無駄に記憶にこびりつくじゃん?僕もYUKIのWAGONって曲聴くと中学生の夏休みの午後のあの感じ思い出して死にたくなるもん。音楽に救われるどころか自殺衝動に駆られてるよ。

 というか偶に特定の音楽聴いた時、忘れていたはずの様々な嫌な記憶がフラッシュバックするよ。全然救ってくれねえよ音楽。むしろ脳とタッグ組んで積極的に殺しに来てる。心の安寧のためには音楽聴かない方がいいんじゃないのこれ。

 いいか。音楽が救ってくれるは罠だ。恵まれた耐性を持つはがねタイプに限った話だ。うっかりノーマルタイプの僕らが鵜呑みにすると音楽に余計な記憶がこびりついちゃうから気をつけろ。

 あと本当に心が辛くなったときは音楽を聴くよりも、人に相談するよりも、なによりもまずは病院に行って薬を処方してもらいましょうね。

CDという名の過去の自分を売ったら金が貰えた

 先日、手元にあるCDを100枚ほど売った。売ったCDの系統としては主に00年代のガレージロックとかサイケとか。今となっては全く聴かなくなったCD達。元々いらねえもんだし大した金額にはならねえだろうと思ってたけど意外にも100枚強で18000円の値がついた。

 びっくりした。金額見た時は「マジかよ。テレスコープス300円もすんの?テンプルズ350円とかありがてえ」とかニヤニヤしてたけど、段々とこの18000円とは過去の自分の価値観に付けられた値段なのでは?とか思うようになった。

 今回僕が売ったCDは、今の僕にとっては無価値なのだけれど過去の僕が価値を見出して買ったものである。過去の僕の価値観が18000円だとするとなんとも言えない気分になる。僕が勝手に思っていることだからこれが高いのか安いのかは分からない。

 仮に今の僕が「これは絶対に売れない」と思っているCDを100枚ほどリストにして買取金額を調べれば今の僕のお値段も調べられる。気になるから調べようと思った。でも今の僕の価値観の値段が高くても低くてもどっちにしろ凹みそうだったからやめた。

 高額だった場合、「うわっ…昔の私の年収、低すぎ…?」と凹みそうだし、安かった場合にはそれこそ目も当てられない。年齢を重ねるとは、成長とはなんなのかみたいな思考の闇に取り憑かれそうな気がする。

 なんというか自分の積み上げてきたものに値段がつけられるのは怖い。でも世の中殆どのものに値段がついてる。貨幣なんて無くなればいいのに。人類が個体として生きてるから悪いんだ。みんなせーので死ねばいい。人類補完計画万歳。

 グタグタ言ってきたけど不要になったものを送りつけてお金がもらえるのは嬉しいです。部屋の圧迫率も下がったし一石二鳥でした。

 今までありがとう聴かなくなったCD達。君達のことは忘れないよ。どうか安らかに経済を回してくれ。

女の子になりたくてしょうがない

 タイトルの通りです。

 女の子になりたい。女装がしたいとは全く違う。いや女装願望が無い訳ではないんだけど。

 昔、女の子になりたくてネカマをやっていた。女の子になりきって色んな男と話したけど所詮ネカマネカマでありそこに意味は無かった。子供の頃、女の子の気持ちになって考えてみろという言葉をよく聞いた。なんと無意味な言葉だろう。どんなに頑張っても思考の一番手前に男というフィルターがある限り純度100%の女の子にはなれないのに。そう、僕は純度100%の女の子になりたい。

 今、この記憶を持ったまま女の子になりたい訳ではなくて、女の子としてこの世に生まれて、女の子として人生を送りたい。

  女の子になったら着てみたい服が沢山ある。スキニーパンツにオーバーサイズのシャツでちょっと胸元はだけてますよ的な格好をしてみたい。マーチンの10ホールとか履いてみたい。男の今は着たい服なんぞ無い。最近は何を着たらいいのかさっぱりだ。だから人類共通の制服が欲しいなと思っている。このことを友達に話したら、「それはスーツで しょ」とかアホなことをぬかした。俺は選択肢によって美醜が決まるのが嫌だと言っているのに。

 話が逸れた。女の子になったら下校途中に友達と一緒にク レープとか食べてみたい。これは男の今でも出来そうな気がするけど、クレープ屋って女の子しか並んでないのでちょっと足が竦む。去年、札幌の大通でやってたオータムフェスタっていう食べ物祭り的なのに行った時、苺けずりというそれはそれは美味そうなスイーツがどうしても食べたかったから弟と二人で並んだ。俺達以外にも20人程並んでいたけど全員女子高生と女子大生だった。多大なMPを消費した。

 また話が逸れた。女の子になって少女漫画を読んでみたい。君に届けを読んでどういう心理状態になるのかを体験してみたい。ジャニーズの追っかけとかもやってみたいなと思う。

 要するに男の視点に飽きた。何をするにも考えるのにも男という生まれつきの性に囚われる。男の性奴隷だ。

 ただ、生まれ変わって女の子に生まれても男になってみたいと思うんじゃないかと思う。結局この異性への憧れも今ある性があるからこそなんだろう。

 どうしたって人間は自分の性奴隷から抜け出せないのかもしれない。

 絶望しか無いな。

僕の好きな漫画10本

 どうも。これまでこのブログでは基本的にしょうもないことと罵詈雑言のようなことしか書いてきませんでした。このままだと僕が憐れな哀しきルサンチマンだと思われそうなので、今回は僕の趣味の一つの漫画の中で特に好きな10本を紹介しようと思います。

 直前で紹介と言いましたが僕の好きな漫画を羅列しただけで「この漫画がおすすめ!」みたいな意図は全く無いです。

HUNTER×HUNTER(冨樫義博)

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 掲載当初「今までと比べるとなんだかなー」と思っていたキメラ=アント編ですら全て読み終えた後には、掌を返さざるを得ない程の圧倒的なラストで「やっぱりこいつ天才や…」と思わせられた。

 ただ書かない。天は何故冨樫に天賦の才を与えたのか。今日もどこかでハンターハンターの最期を見届けることなく死んでいった人がいるのかと思うと僕は悲しい。

 もう、原作 冨樫義博、漫画 でいいだろ。突然レオリオがタキシード仮面になっても構わないから続きが読みたい。

 

お茶にごす。(西森博之)

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 ギャグ漫画家、西森博之の最高傑作。夏帆ちゃんが可愛い。以上。

乱と灰色の世界(入江亜季)

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 大人になれる魔法が使える少女、乱が本当に大人になるまでの物語というテーマ自体は割りと普遍的ですが、社会に馴染めない乱をありのまま肯定してくれる中身が子供の様な大人、凰太郎と、乱にいつも少し「先」を見せてくれるちょっと大人びた同級生、日比を使って見事なまでに書き切っています。

 ただこの漫画の本当に凄いところは絵。もう滅茶苦茶上手い。森薫と共にハルタが誇る超絶画力二枚看板ですね。

 

ヒカルの碁(原作 ほったゆみ 漫画 小畑健)

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 囲碁が全く分からなくても面白い素晴らしい少年漫画。今思うと週刊少年ジャンプという雑誌でボードゲームをテーマにして長期連載するのって偉大なことだったんですよね。ちなみに僕は何度も繰り返し読んでいますが未だに囲碁が出来ません。

 

吼えろペンシリーズ(島本和彦)

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 島本和彦って皆が薄ぼんやり思っていることをフルスイングで言語化してくれるんですよね。終始身も蓋も無いことや、なんだかよく分からない名言めいたことを言っていますがフルスイングだから説得力がある。…ような気がする。

 

⑥幻想ギネコクラシー(沙村広明)

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 短編、読み切りを書かせたら日本一だと僕が勝手に思っている漫画家、沙村広明

 中でもこの幻想ギネコクラシーは作者が時事ネタの禁止、メタ表現の禁止、パロディの元ネタは古典のみ、といった自分ルールを課しているため、純粋な沙村広明の発想力だけを楽しめる作品。

 

それでも町は廻っている(石黒正数)

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 石黒正数という人は漫画という媒体を本当にうまく使ってると思う。絵が上手いとか、ストーリーが凄いとかではなくて、漫画を書くのが上手ですね。

 つい最近完結しましたが、連載中は最新刊が出る度に既刊全てを読み返したくなるような仕掛けがあちこちに散りばめられていました。素晴らしい漫画です。

 

百舌谷さん逆上する(篠房六郎)

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 ツンデレ病という架空のパーソナリティ障害を背負った女の子、百舌谷さんと、百舌谷さんが苦しむコミュニケーションの壁に壊すのではなく寄り添おうとするドM少年、番太郎の物語なのですが、なんだかよく分からない漫画です。

 重いテーマと突き抜けたドタバタコメディが同居しているせいで自分の中でうまく消化されない。なんだかよく分からない。分からないから何度も読んでみる。そんな漫画。

 

メダロット【イッキ編】(ほるまりん)

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 ゲームのメダロットを漫画化したものなんだけど、これが当時児童向け雑誌のコミックボンボンで連載されていたという驚愕の事実。どうりでコロコロ派よりボンボン派の方が賢く見えた訳だ。

 作品のテーマとしては人間中心主義への批判とか、帰化生物による環境問題とか、根っこから違う他者とどう隣り合うかとか、作品としては寄生獣に近いかもしれない。うん、小学生には到底理解出来ないようなテーマばっかりだ。

  難解なテーマだけどメダロットというゲームをベースにした世界観は崩されていない。そのバランスが良い。

 

第七女子会彷徨(つばな)

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 SF系日常作品。作者は石黒正数のアシスタントをしていたことで有名。

 石黒正数それ町において圧倒的な構成力で日常をSFに仕立て上げていたが、第七女子会彷徨はより純粋なSF作品を日常系にしている。基本的にほんわかコメディだけどちょくちょく「死」を取り扱った話が出てくる。

 ちなみにこの作品もそれ町同様、何度も読み返したくなるような仕掛けに溢れています。

 

 以上、僕の好きな漫画10本でした。