未来人のケツ毛

 未来人に会いたい。会ってケツ毛の有無を確かめたい。恥ずかしながら僕自身ケツ毛が生えてましてね。まあジャングルとまではいかないまでも道路から顔を出している雑草程度には生えているのです。

 このケツ毛というのが主に排便時に非常に厄介で、お尻をトイレットペーパーで拭く時に毛と紙が絡んで余計なダメージを肛門周辺に与えたり、毛に便が付着して拭く回数が増えたり、紙と絡んだままケツに残り毛玉を作ったりするわけです。他にもケツが蒸れやすいとか色々あるのだけれどまあメリットが一切無いんですね。

 そもそも体毛って体を守るために生えてるらしいけど人生でケツに高火力の攻撃を食らった事が無いし何で生えてるんですかね。大体こんな程度の毛量で何を守れるってんですか。それに弱点部分と防御力の面から考えればケツよりも腹とか胸辺りが優先されるべきじゃないですか。

 そんな訳で僕はケツ毛に対するヘイトが人一倍強いのでケツ毛を定期的に刈ってるんですよ。主な目的は日々を快適にするためなんですけど、それと別に壮大な目的もありまして。ケツ毛を刈ることで遺伝子に「ここの毛は要らないんだぞ」と書き込むために刈ってるんですよ。遺伝子がケツ毛を不要だと判断すれば生えてこない訳じゃないですか。進化ってそういうことでしょ。だから僕はケツ毛を刈る度に遺伝子に刻み込むように気合い入れて刈ってる。

 出来ることなら世界中のケツ毛人間にケツ毛を刈って欲しい。ケツ毛を減らしてケツ毛の生えてない人間を増やして欲しい。ネズミ式にまっさらなプリケツの人間を増やして欲しい。ケツ毛を刈るという行為を自分の中でだけで完結することだと思ってはいけない。何世代にも渡って刈り続けることで世界は変わる。

 ただ、毛狩り隊第一世代の僕の人生ではそんなケツ毛がクリーンになった世界を見ることは不可能なので未来人に会いたい。未来人のケツを見て僕のやっていることは間違いじゃないんだって思いたい。

 だからケツ毛が生えてる奴は一緒に頑張ろうぜ。歩みを止めるな。ケツ毛を刈って世界を変えろ。

 あ?脱毛?脱毛は無理。俺肛門弱いんだよ。肛門焼かれたら泣いちゃうよ。