犬が嫌いで猫が好き(ワンコロ撲滅委員会所属)

 見栄を張りました。嫌いじゃなくて怖いです。思い返せば幼少期に親戚の飼っていたゴールデンレトリバーに公園で追っかけ回されたのがすべての元凶だろう。

 今でもあの時のことは鮮明に覚えている。周りの大人達は「遊びたくて追いかけてるんだよー」等と言っていたが当の本人である僕はマジで死の恐怖を感じていた。自分と同じ位デカい四足歩行の牙を持った獣に追いかけ回されて死を意識しない方がおかしいだろ。

 次に覚えてるのは小学四年生の頃、友達の家に遊びに行ったらクソデカいドーベルマンがいてそこら中にウンコしたり吠えまくったりと大暴れでマジで怖かった。そりゃそうだろ。あんな黒光りした筋肉質の獣、怖いに決まってるわ。おまけに顔面まで厳ついし。

 ただまあその犬への恐怖も中高生の時は表に出さずに過ごしていた。何故なら犬が怖いとかダサいじゃん?思春期の男は周りに女子がいるとこういう無駄な見栄を張りたくなるのだ。同じような理由で中高生の頃は虫にも強く出ていた。今は凄く怖い。普通に「ヒャア」とか「ツォイ」みたいな声が出る。

 そんでもってなんで大人になってまた犬や虫にビビりだしたのかと言うと、単純に見栄よりも恐怖が打ち勝ち出したってのもあるけど一番の原因はチワワに足首を噛まれたから。

 ある暑い夏の日のことだった。僕は友達とテニスをするべく近所のテニスコートのある公園に行ったんだけど、そこでアホなカップルがチワワを放し飼いにしててな。自転車を降りた俺にチワワが一直線に向かってくるのよ。その時は「ああ、これ俺の周りをグルグル回るパターンだな」とか呑気に考えてたんだけど現実は違った。ノータイムでガブーよ。幸いにもテニスをするために厚手のソックスを履いてたから怪我はしなかったんだけどさ。凄い心臓がバクバクしてた。今にしてみれば噛まれた瞬間に反射で蹴り飛ばせば良かったと後悔しているが当時はショックで放心状態だった。ただ、次同じようなことがあったら迷い無く蹴る。何故なら人間は学習する生き物なので。ちなみにチワワは僕を噛んだら速攻で飼い主の元に去っていた。そう、ヒットアンドアウェイだよ。小型犬だからな、自分の力量をしっかり把握していたんだろう。腹立たしい。一応飼い主のアホカップルは猛烈な勢いで謝ってきたけど今にしてみれば金をせしめれば良かったと思っている。次はそうする。

 そこのお前、長々と書いた割にはショボい理由だと思ったろ。でも人の抱える痛みはその人にしか分からないんだぜ。事実、チワワに噛まれて以降は道でババアが散歩させてる犬が少しこっちに寄ってきただけで体がビクつくようになったからな。立派な心的外傷後ストレス障害だよ。

 とまあ、そんな訳で犬が嫌いで猫が好きなのだ。見た目も猫の方が圧倒的に愛くるしいしな。もちろん猫も飼ってたら噛んだり引っ掻いたりするんだろうけど飼ったことないし、今までに外で会った猫から被害にあったこともないのでモーマンタイ。ニャンコ最高。

 ただそんな猫が大好きな僕にも一つ問題があってな。

 

 

 

 僕、猫アレルギーやねん。

 その昔、従兄弟の家に行って猫を可愛がったら止まらないくしゃみと蕁麻疹に苦しんで号泣しながら帰った話はまた今度。バイチャ。