僕はこのままでいいのだろうか

 先日、母親へのプレゼントを買うためにワインショップに行った。ただ僕は下戸でお酒のことなど1ミクロンも知らないので店内に入ってワインを眺めたところで何も分からなかった。店自体もなんか薄暗くてお洒落な雰囲気が漂って非常に辛かった。入って5秒で逃げ出したくなった。

 そこで思ったことが一つ、二十余年も生きているのにワインショップで逃げ出したくなるなんておかしいのではないか?ということである。

 逃げ出したくなるのは別にワインショップに限らないのだ。セレクトショップとかも苦手で入ってすぐ踵を返したくなる。あと何にも知らねえしな。ドメブラ?とかの店がどこにあんのかも知らんし、古着屋なんぞ知るはずもない。カフェもチェーン店以外知らねえし、そもそもコーヒー嫌いだからカフェにも入りたくない。酒飲めないからバーも一軒も知らん。とにかく所謂大人なら知ってそうな店とか物事を一切知らんのだ。よく男の精神年齢は中二で止まるというが本当に中身が中二のまま年齢を重ねてしまった。

 今までは僕がそういうのが苦手で興味も無いので別に知らなくてもいいと思ってた。そっちへの関心がゼロの代わりに音楽とか漫画を普通の人よりちょっと詳しい、そういう人間なのだと思っていた。

 でもそうじゃない気がしてきた。当たり前だけどこれらの知識とか経験は別にトレードオフじゃない。漫画が好きな人でワインにめっちゃ詳しい人とか行きつけのカフェがある人なんて幾らでもいる。っていうかたぶんそれが普通なんだと思う。

 やべーよ。マジで本当に何も知らんぞ。ファッション雑誌とか読んだ方がいいのかな。POPEYEとかブルータスとかノンノとかでいいのか?ほらな、何も知らんから何を読めばいいのかも分からん。でも美容室行った時にいっつもノンノ渡されるけど超つまんないぞ。ああいう雑誌って終盤に載ってる芸人とかプロレスラーの連載が一番面白いよ。真壁刀義のスイーツエッセイで埋め尽くせ。

 あと載ってる服も高いし。そう、たけえ。Tシャツ一万、シャツは二万、パンツ三万、アウター十万とかマジで言ってんの?正気か?そんな金ねえよ。ただでさえ国から二千万円貯めとけって言われてんのに布っきれにそんな大金かけられねえだろ。二千万貯めようと思ったらそんな諭吉十人以上する服なんて買う余裕ねえだろ。ねえよな?みんなあんの?うわっ…私の年収、低すぎ…? 

 とまあ、ここまで嗜好とか、カルチャーとか、はたまた国のせいにしてきたけど実は分かってんのよ。単純な理由よ。そう、僕がただの不出来で周回遅れの人間ってだけなんだよ。でもこんなこと自ら言いたくないじゃない。悲しいじゃない。こんなの精神的自害以外の何物でもないよ。大人は自分の非を認めることが出来るらしいけどやっぱり大人は凄いな。今これを書くことで自分の非を言語化してる訳だけど苦痛で仕方ねえよ。

 という訳で今回は僕が不出来で周回遅れの駄目人間であることの裏付けがきっちり取れました。もうこれ以上は気持ち悪くてゲボ吐きそうなのでキーボード打ちたくない。

 辛い、クレープを食べて癒やされたい。ママー!クレープ食べたい!ママー!クレープ買ってきてー!