マザーズ・チョイス・リバイバル

 今、服への興味が過去最高に無い。

 元々ファッションに熱心だったわけではない。しかし身なりはそれなりにしようという思いから一応他所様からダサいと思われないであろう服を買ってきた。

 そんなスタンスに限界が来た。身銭を切ってダサくないことを目指す。マイナスをゼロに、そしてゼロを維持する。そんな作業に疲れてしまった。人間はモチベーションが無いと維持もままならない。維持を目指すと衰退するのだ。僕は今服に関して一切合切考えたくない。

 しかし、自分でもよく頑張った方ではあると思う。さして興味も無いのにセレクトショップとか入って襲来する店員と吃りつつもなんとか談笑をこなし服を買ったこともあった。Googleで「ドメスティックブランド おすすめ」で調べてニ、三時間ネットの海を彷徨ったこともあった。amazonで良いと思って買ったのにいざ実物が届いたらコレジャナイ的な失敗もした。

 でもな、そんなことを繰り返してる内に僕の心は磨り減っていったんだ。こないだ友達の付き合いで服屋行った時びっくりしたよ。なんにも考えられねえんだ。思考が完全にストップするの。目で服を映しても脳が情報を受け取らないの。真っ白に燃え尽きてんだ。燃えカス一つ残ってないよ。

 そんな訳で一年の半分をジャージで闊歩する生き物になってしまった。しかも自分自身のことはお洒落とかダサいとかどうでもいいと考えている癖にファッションのマイナスを拒絶する心理は残っているらしく、外でDQNの格好見て「あいつダッサ!」とか平気で思ってしまう。最悪の生き物だろこれ。

 まあそれはさておき閑話休題、問題は服を買うのが億劫だってこと。服のことなんか考えたくもないのに服なんて買えないよ。でもさ、服って破れんのよ。経年劣化で。ずっと同じ服ではいられんのよ。いつかどっかで買い足さなきゃいけないのよ。

 そこでタイトル、マザーズ・チョイス・リバイバル

 今一度お母さんに服を選んでもらう。原点回帰。誰しも最初から自分の着る服を自分で決めていた訳ではないだろう。みんな最初はお母さんの着せ替え人形。

 お母さんにお金を渡して「買い物ついでに適当に服買ってきて」

 これで全ての悩みから解放されるのだ。なんというグッドアイデア。お母さんが元気な内にさっさと僕の一生分の服を選んでもらわねばなるまい。

 最後に、僕と同じように服買うの面倒くせーとか言いながら彼女に服を選んでもらってる奴いるだろ。テメーは死ね。